衆議院経済産業委員会 ()

○谷畑委員 自由民主党の谷畑孝でございます。
海江田大臣、また中山政務官、毎日の激務、本当に御苦労さまでございます。
私、この間の連休、五月の七日から九日まで、東北を回ってまいりました。いわき市、石巻、陸前高田、そして釜石と、震災対策本部を訪ねたり、いわき市におきましては、私どもの仲間と一緒にたこ焼き、イカ焼き、それからラーメン、そういう炊き出しもさせていただいたりしてまいりました。
そこで感じたことは、新緑でしたから、あれ、ここで地震が起こったのかなと。走っても走っても、すばらしい新緑と、そして家屋は立派にそのまま、健全である。ところが、一たび海岸へ行きましたら、もう陸前高田などは、二万四千ぐらいの人口で七割が、津波で家屋が根こそぎ海に持っていかれてしまった。わずか二十分の間で生死を分けてしまう、助かった人、死んでしまう人、そういうような悲惨な状況を見てまいりました。
その中で感じたことは、阪神・淡路も、我々の震災も大変でした、六千を超える人が亡くなったわけですから。しかし、大分違うなということをつくづく感じたんです。
それはどういうことかといえば、阪神・淡路の場合は、仮設住宅、仮設工場をつくれば、もともと大阪などに働きに行っておったとか、あるいは、長田町のヘップサンダルの靴等を含めて、仮設工場で生産が再開した、だから震災用の融資を受けて頑張ろうか、こういう希望というものがありました。しかし、この東北の震災は、漁業、農業という、生活そのものが根こそぎ破壊されてしまっている。
私が陸前高田へ行ったときには、ちょうど仮設住宅が五十三カ所でき上がって、皆さん喜んでおられました。そして、自衛隊の皆さんも努力されて、移動浴場、大浴場、私も見学しましたけれども、本当に皆さん、そこに入られて夕方のひとときを暮らしておりました。
しかし、感じることは、仮設住宅に入っても、農業ができない、漁業ができない、こういうことが全く違うなということをつくづく思いました。そこへ原発ということですから。
そこで、私の印象ですけれども、もちろん復興という、これはいろいろ議論があり、国が浜辺を買い上げて陸地へだとか、あるいはこういう産業を興していくんだという、復興というのはいろいろとすばらしい議論はあるんです。しかし、目の前の復旧、港を早いこと、これは個人の力ではどうにもならない、早いこと港を整備して漁業ができるように、あるいは、そこで工場を持っている人は早いこと工場ができるようにという復旧の積み重ね、そういうことが非常に大事じゃないか。常に目の前にはなお瓦れきがある、こういうことを、ずっと二日間回ってきてつくづく感じました。
ぜひひとつ、大臣もまたいろいろなそういう会合に出られると思いますけれども、まず生活に関連する復旧というものの積み重ねで復興があるという、ここをしっかり押さえないと、議論ばかりの中で一つも前の瓦れきが片づいていない、こういうことにつながってくるのではないか、こう思うわけであります。
さて、大臣に質問するわけですけれども、まず、経済産業省としてのジャンルでこの復旧について出ていること、いつも議論になりましたサプライチェーン、自動車の部品、世界にも影響を与えました。それがもう二カ月たってどのような復旧がされてきたのか、お伺いいたします。

○海江田国務大臣 谷畑委員にお答えをいたします。
今の、まず復旧が大切だということはしっかり肝に銘じました。何か一足飛びに復興ということではなしに、地に足のついた、一つ一つの施策を講じていけということだろうと思いました。
その上で、お尋ねのありましたサプライチェーンの復旧でございますが、これにつきましては、四月の後半でしたか、私ども経産省で、東日本大震災後の産業実態緊急調査というものを行いました。
この調査によりますと、被災地における製造業の生産拠点の約六割強が復旧しております。そして、三割弱が夏までの復旧の見込みと回答しておりました。その後、今また一月以上たちまして、その割合が進んでいるということでございます。
一例を挙げますと、鉄鋼や化学につきまして、五月の中旬ごろまでに主要工場の生産が再開をしております。機械につきましても震災前の生産水準をほぼ回復するなど、ほとんどの生産拠点で生産が再開されております。また、自動車工場につきましても、生産台数を調整しながらではありますが、全国の工場で生産を再開するなど、内外に向けたサプライチェーンはつながりつつあるという認識でございます。

○谷畑委員 ぜひひとつ完全復旧ができるよう、さらなる経産省の力を出していただきたい、こう思います。
引き続いて、前にも質問しましたけれども、やはり仮設工場なり仮設店舗、あるいは仮設事務所、これがどういうふうな状況で進んでおるのか、もう二カ月たっておりますので、簡単にお答えをいただきたいと思います。

○豊永政府参考人 仮設工場、仮設店舗についてのお尋ねをいただきました。
今般の震災によりまして甚大な被害を受けた地域で中小企業が早期に事業を再開するということは極めて大事だと認識しております。
このため、五月二日に成立しました補正予算を活用いたしまして、中小企業基盤整備機構におきまして、仮設工場、仮設店舗、またお話のありました仮設事務所などを整備し、自治体に、基本的に無償で貸し出すということを始めたところでございます。
これまでの取り組み状況でございますけれども、中小企業庁、中小機構の職員、延べ八十六人に及びますけれども、六県百市町村、それから九十一中小企業団体をお訪ねいたしました。御要望を伺ったわけでございますけれども、これまでに三十市町村、百七十六件の、つくってほしいという御要望をちょうだいしているところでございます。
私ども、中小企業と力を合わせまして、できるだけ早期の着工に向けて努力をいたしておりますけれども、具体的な、その自治体の御要望される施設の仕様、どこにつくるのかといったところの細部を今調整しているところでございまして、準備が整ったところから着工してまいりたいと思っております。
以上です。

○谷畑委員 ぜひひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。
これも前回質問をしたわけですけれども、補正予算も成立をしたことでもあり、中小企業等につきましては、やはり何といったって金融支援というのが非常に大事だと思いますので、ここらはぜひスピードアップで、しかも垣根を低くということでお願いをしたいと思います。その状況についてお伺いいたします。

○豊永政府参考人 中小企業に対しましての金融支援についてお尋ねいただきました。
震災発生直後から、金融機関や保証機関につきましては、柔軟に条件変更に応ずるよう強く指導してございます。また、政府系金融機関における災害復旧貸し付け、それから保証協会における災害関係保証などの資金繰り対策をすぐさま終えたところでございます。
今般の一次補正予算を活用いたしまして、これらを強化いたしました。具体的には、保証につきましては、セーフティーネット保証と合わせて無担保で一億六千万、最大で五億六千万まで利用可能な拡充を行いました。また、融資制度でございますけれども、直接的な被害を受けられた中小企業者に対しましては、貸付期間を最長二十年に延ばさせていただき、また据置期間も従来の二年を五年とさせていただいたところでございます。金利も最大で無利子という手当てをさせていただきまして、申し上げるのもあれですが、過去に例を見ない形の支払いと考えてございます。
この金融制度実施状況でございますけれども、震災発生当日、三月十一日以降、直ちに経産局、政府系金融機関、保証協会におきまして、特別相談窓口を設置いたしました。この相談状況でございますけれども、一昨日までに七万四千件の御相談をいただいてございます。具体的に、融資や保証承諾に至ったものが二万九千五百件、金額にいたしまして四千九百五十億円という実績になってございます。
先般、海江田大臣からも、政府系金融機関、全国の保証協会、それから商工団体のトップが一堂に会した場で、被災中小企業の方々に親身に相談に乗るように強く御要請をいただいたところでございますので、私どもといたしましても、その趣旨を踏まえてしっかり対応してまいりたいと考えてございます。

○谷畑委員 中小企業の金融の最後の質問をするわけですけれども、菅総理大臣が、多重債務については力を入れると。私ども、この多重債務というのは、どう考えてもなかなか難しくて、いい知恵が出てくるのかなと思っておるわけですけれども、その現状と方向だけでも教えていただきたいと思います。

○海江田国務大臣 委員おっしゃるように、この二重ローン、二重債務につきましてもいろいろな種類がございます。住宅ローンなんかの場合もそうでありますが、委員、関心がかねてからおありの中小企業の問題、これもなかなか難しい問題が生じております。
今、官房長官のもとで、もちろん経産省も入っておりますが、金融庁、それからたしか財務省も入っていたかと思いますが、協議をしているところでございます。
私どもがこうした総理からの指示がある前に考えておりましたのは、今度の補正予算で、新たなローンは一〇〇%保証をつけて、しかも金利はできるだけ低くして、福島県などでは県の協力もいただいて金利ゼロの実施もできております。そういう形で、非常に低い金利で保証を厚くして、そして返済期間はできるだけ長く、既往の債務につきましては、これをできるだけリスケジュールで返済をおくらせる、先に回していく、こういうことを当面考えておりました。
そこに総理からのお話がありましたので、今調整をしているところでございますが、やはり、多くの議員の方々の意見、あるいは国民の意見、そういうものもよく聞いて、しっかりとしたものにしていきたいと思っております。

○谷畑委員 ぜひひとつ、多重債務は難しい課題だと思いますけれども、少しでも前進をさせて、被災者の皆さんに希望を与えていただいたらありがたい、こういうふうに思っております。
さて、原発事故、これは本当にもう気が遠くなり、また毎日のニュースで新しい事実が次々と出てくるということで、もう本当にうんざりしますし、収束という希望に向けて、一日も早く収束をしていってほしい、こう願うものであります。
そこで、きのうですか、原発事故の検証をどういう形でするかということが決まったということですけれども、私は、この検証は、今ある五十四基の原発においてもそうだし、世界の、原発大国等を含めての国も関心があるだろうし、しっかりした検証をしていかないといかぬと思うんですね。どこまでが天災で、どのあたりから人災になって、その人災の中で、一体何が欠けておったのか、こういう検証が非常に大事だ、こう思うんです。
そこで、この間の復興特別委員会におきましても、私どもの谷垣総裁が、初動におきまして、再臨界が起こるということの中で海水の注入を一時中断したのではないか、こういう質問をされました。それから、初動において菅総理が原発にヘリコプターで視察をされた、こういうことによって一番大事な時期にベントがおくれたのではないかと。そういう意味では、この検証は、関係機関もさることながら、政府も初動がどうであったのか検証しなきゃならぬと私は思うんですね。
それと同時に、原発にかかわることで、例えば保安院は経済産業省だし、あるいは内閣府にも原子力安全委員会があったり、いろいろとばらばらの情勢で、いざというときに知識というものをきちっと一つの方向にまとまって発揮したのかどうか、そういう検証があると思うので、ぜひこれは今からでも、もしも決まったというんだったらひっくり返してでも、ぜひ国会に置いていただいて、政府も検証するんだ、こういう姿勢が必要じゃないかと思いますけれども、大臣、どうでしょうか。

○海江田国務大臣 私どもは第三者委員会ということを言っておるんです。正式名称は事故調査・検証委員会ということでありますが、第三者委員会という名で私どもが呼んでおります意味というのは、まさに今、谷畑委員御指摘のありましたように、政府からも独立をした、あるいは東京電力からも独立をした第三者でということでございますので、人選には、まさに第三者の調査会の委員であることがふさわしいと多くの方が思っていただけるような方を選びました。私どもと何か特別の関係があってもいけませんから。
主に調査の対象になるのは、私、そして菅総理、あるいはその他の閣僚ということになろうかと思いますが、この委員長、あるいは委員に間もなく全員の方が決まるんですか、ちょっと私、それは本当に存じ上げないんですが、そういう形で、私どもの存じ上げない方で、多くの皆様方が、この人ならば公正中立、しかも厳格に事の真相を明らかにしてくれるという方を選んでおるつもりでございます。
ただ、これでまだ足りないということであれば、それは国会の方で御議論をいただければよろしいかと思います。いつでも私は、その場にお呼びがかかれば行って、事実をありのままにお話をしてくるつもりでございます。

○谷畑委員 ところで、この第三者委員会は、もう決定をされて、どこに置くことになったんですか。

○海江田国務大臣 私の覚えでは内閣官房だと思いますが、ただ、独立性を非常に高めるということでございますので、私も、決定の閣議には参加をいたしましたけれども、いつからそういう調査が始まるのかということはまだ存じ上げません。

○谷畑委員 ということは、国会に置くということじゃなくて、政府に置くということになったわけですか。それはもう決定したんですか。

○海江田国務大臣 閣議決定でございますので、そういう決定でございます。

○谷畑委員 いや、私はやはり、先ほど言いましたように、初動における、官邸も含めて検証していく対象だと思うので、それを閣議決定で政府に置くということ自身は、本当にそれで独立が担保できるのかどうか。
だから、私どもは、ぜひこれは国会に置くべきじゃないか、こういうふうに言っておったんですけれども、これらの意見は、拝聴しておったと思うんですけれども、それはどうなんですか、そういう声は聞こえておりましたか。

○海江田国務大臣 まず、私どもは今政府の一員でございますから、政府の一員としてできることは何なんだろうかということで、私どもは第三者委員会と呼んでおりますが、そういうものを設置することを決めたわけでございます。国会でもやはり必要だということであれば、国会でもそういう調査委員会をつくっていただいて、そしてそこで検証していただければ結構かと思います。

○谷畑委員 いずれにしても、この原発事故における検証というのは、世界に向けても発信していくことが非常に大事だし、そこに公平さというのか、非常に見識の高い検証をされることが日本に対する信頼回復の一歩だ、こう思いますので、ぜひそこは独立性をしっかりと担保していただくということを強く要望いたしておきます。
さて、原発における補償の問題について少し議論をしておきたいと思うんです。
自分の住みなれた町、あるいは家畜等を含めて一緒に生活をしてきた皆さん、あるいはまた農業ということの中で愛情を持って作物を育ててきた、そういう人たちが原発事故の中で強制的に避難していくわけなんですね。そういうことを見ましても、非常に忍びないというのか、本当にその人々に対して、私ども政治家としても、一日も早く原状復帰で帰っていただくというようなことをしていくことが我々の責務だとも思うし、また同時に、今避難されている皆さんのそれぞれの立場、気持ち、ここを十分に掌握することが大事だと思います。
まず、現状というのか、どこの人々がどこに避難されて、そして、地方自治団体等、あるいは東電、あるいは経済産業省含めてがしっかりとこれを掌握されて、そこで初めてかゆいところに手が届く政策が実現できる、こう思いますので、その現状についてお伺いいたします。

○宮本政府参考人 お答えいたします。
五月二十四日現在で、福島県の災害対策本部が公表しております避難者の方々の数は、現在九万九千十六名でございます。ただし、こちらには、原子力災害のほか、地震、津波による被災者の方も一部含まれていると思います。したがいまして、この九万九千十六名のうち、原子力災害関係の十三市町村からの避難者の方々の数を見てみますと、九万七千八百二十二名でございます。
また、このうち福島県内に避難されていると公表されている方々の数は二万三千九百二十五名。さらに、そのうち学校、体育館など百九カ所の避難所に避難されている方が六千四百九十四名。それから、旅館、ホテルなど五百二十三カ所に避難されている方が一万七千四百三十一名となってございます。
そのほか、福島県外へ避難されている方は三万四千七百四十三名。このうち、主な県の避難先を見てみますと、新潟県で七千七百六十七名、東京都四千百五十六名、埼玉県三千百十名などとなってございます。
また、福島県の災害対策本部では、こうした避難者の方々の所在を確認するために、別途、福島県双葉郡支援センターという窓口を設けておりまして、こちらに、避難されている方々から御連絡をいただいておりまして、五月二十一日現在、双葉地方八町村の住民の方々の所在は九六%まで確認されているところでございます。

○谷畑委員 九六%掌握されているということで、非常によく掌握されているなと思いますけれども、一〇〇%に近くきちっと掌握をすることが大事じゃないかと思います。
それと同時に、避難された人たちにとってみたら、やはり情報が欲しいと思うんですね。今現在、原発の収束に向けてどういうような現状になっているんだろうかとか、あるいは自分たちはいつ帰れるんだろうかとか。だから、時には、月に一回になるのか、レターという、そういう通信になるのか、そういう形での、情報がどうなっているのか、そこはきちっとでき上がっているのかどうか、それをお尋ねいたします。

○宮本政府参考人 お答えいたします。
各地に避難されている方々に必要な情報を広くお届けするために、政府としては、関係機関と連携を密にしながら、福島県内外に向けて積極的に広報活動というのを展開しております。
まず、当然でございますが、政府、東京電力による共同記者会見などを通じて、日々タイムリーな情報発信を続けるとともに、福島県に設置されております原子力災害現地対策本部、こちらにおきましても、特に避難者の皆様の関心が高い、例えば計画的避難、それから警戒区域への一時立ち入り、こうした情報について、地元の報道機関等を通じてきめ細かく提供をさせていただいております。
また、政府、福島県、東京電力などが実施しておりますいろいろな支援措置や取り組みにつきまして、あるいは安全情報などにつきましても、これをまとめましたニュースレターというのを発行しておりまして、これを福島県の災害対策本部と連携して、県内の市町村あるいは避難所などに配付、掲示させていただいております。
長くなって恐縮ですが、さらに、地元のラジオ番組での毎日の放送、それからその内容をインターネットへ掲載、あるいは政府広報による全国向けのラジオ放送、新聞広告なども活用して、できる限り全国どちらからでも情報が入手できるようにしたいと思っております。また、こうした広報活動に加えまして、求められているテーマに応じまして、関係機関連携のもとに、地元での説明会なども適宜開催させていただいております。
今後とも、できるだけ被災者の方々がどこでも必要な情報をタイムリーに入手できるように、効果的な媒体を使って情報提供に努めてまいりたいと思っております。
以上です。

○谷畑委員 ぜひ、そういう情報をしっかりするということと同時に、もう時間がないのでこれはこちらから要望しておきますけれども、東電が仮払いで百万、単身者については七十何万ですか、支払いをしたということなんだけれども、さらに、長引いていくわけですから、そこらをよく掌握して、第二弾のそういう緊急の仮払いが可能かどうか、こういうことについてもやはり早急にしていくことが必要じゃないか。政府が立てかえてでもやる必要があるんじゃないか、そういうように思います。もう時間がありませんのでこれは答えはいいですので、よろしくひとつお願いをしたいと思います。
次に、この原発事故における賠償、全体の賠償の枠組みが五月十三日に関係閣僚会議で決まったということです。
ところで、海江田大臣、関係閣僚会議で決まったというんだけれども、閣議決定をしていないと思うんです。それはなぜなのか、そこらの点を教えてほしいということ。
同時に、当初、関係閣僚会議で決めるという日が一日延期されて、民主党の内部で相当このことについて議論された、こう聞いています。多分、我々が想像しますのには、やはり東電の賠償における上限の問題だとか、あるいは、いや、東電に対してリストラ等を含めてもっと責任をしっかりしろという意見であったり、あるいは、上限を決めながら、国がもっと前に出た補償の枠組みが要るんじゃないかとか、我々も想像すればいろいろなことが想像できるんだけれども。
いずれにしても、閣議決定がされていないその背景、そして一日おくれた民主党内部における議論、そういうことについて少し報告をしていただきたいと思います。

○海江田国務大臣 委員御指摘のように、原子力被害者損害賠償についてのスキーム、この仕組みは関係閣僚の決定ということでございまして、まだ閣議の決定に至っておりません。
これは、委員御案内のように、閣議の決定をいたしますと、そこからすぐ法案の提出ということにつながろうかと思っております。もちろん私どもはできるだけ早い時期に法案を提出して、野党の皆様にも御協力をいただいて、そして成立をさせたいと思っておりますが、国会のことでございますので、国会の方とも御相談をしなければいけないということでございます。いずれ閣議決定、法案提出、そして御審議いただく、こういう手順になろうかと思っております。
それから、一日おくれた理由でございますが、これももう委員よく御存じのとおりでございまして、むしろ私より委員の方がよく御存じではないかと思うくらいでございまして、与党のプロジェクトチームで意見が、私どもがその前日会議を開いておりますときに間に合わなかったということで翌日になった次第でございます。

○谷畑委員 いずれにしても、一日も早く閣議で決定をして、しかもその関連法案を出していく必要があるんじゃないか。
それと同時に、どれぐらいの補償の金額、やはり一定程度想定をしないと、機構ができ上がったといっても、この機構には原発を抱える電力会社も拠出をしなきゃならぬし、また、東電は上限なしで無制限で、結論的には利益の中からどんどんどんどんとこの機構に返済をしなきゃならぬ、こういうことになってきますよね。だから、そういう点をやはりしっかりと閣議で決めて、その方向を決めていくことが大事だと思います。
それと同時に、政府内部でも多少、この機構に当たっていろいろなニュアンスの違いがある、こう聞いていますので、ここもしっかりと一致をさせていく必要があるんじゃないか。それはまた後ほど、時間があればちょっとお聞きしたいと思うんですけれども。
その前に、私はこう思うんです。何もこの機構そのものが東電という一企業を救う、ただ単にそういうことだけじゃないと思うんです。第一の責任は、やはりこの原発事故を起こした、そして被害の拡大をとめられなかった東電の責任というのは私は当然あると思うし、国民の皆さんのそれに対する怒りは当然だ、私はそう思います。だから、東電におきましては、さらに努力をして、リストラをし、しっかりとやっていかなきゃならぬ、こういうふうに思うんです。
しかし、そう言いながらも、原発は、一企業が担っておるけれども、これは国策じゃないか。日本の社会そのものは、ちゃんと電力が安心して供給されるということで日本の産業が成り立っておるわけですよね。それがなくなれば、日本の企業だって海外へますます行ってしまう。だから、電力問題というのは、まさしく日本の国家における大事な問題だと私は思うんですね。
そういう意味では、東電がほんまに無制限でいくことの中で、倒産しないのか、本当に。補償も、限りなくわからないし。そこらの点、私はやはり国も責任があると思いますので、そこらの点についてどう考えられるかをちょっとお聞きしたいと思うんです。率直な意見をひとつお願いします。

○海江田国務大臣 東京電力が、原子力発電所の事故による経済被害に対する賠償は基本的に原子力損害の賠償の法律に基づいているわけでございますが、これは今委員も御指摘がありましたように、第一義的に無過失であっても無制限の責任を負うということでございますから、今お話のありましたような仕組みになっている。
他方、我が国では、エネルギー政策はまさに国の基本的な政策でございます、そのエネルギー政策の中でしっかりと原子力の政策が位置づけられてきたわけでございますから、その意味で、国の責任というものも当然あろうかと思います。
国のそうしたエネルギー政策を進めてきた責任というものを、どういう形で今回の原子力事故による経済的な被害を受けた方たちへの賠償に結びつけるかということになりますと、一つの結びつき方が、まさにおっしゃったように、東京電力が被害者に負っている債務を果たしていくところで、途中で倒れないようにするということ、これが一つ。そして、そのための仕組みをつくるということが一つの役割でございます。そのために今、そうした機構をつくるべく、先ほどお話をしたような、準備の段階に入っているわけでございます。
それから、この原子力損害賠償の法律の中には、一般の保険、民間の保険では、こうした原子力災害が起きたときは保険金がおりないということになっていますから、国がこれを、もちろん原子力事業者も一定程度の積み立てはございますが、ただ、まだそんな大きな額になっておりませんので、国が当然国庫の方からこの支払いをいたしまして、一原子力発電所につき一千二百億円、こういう仕組みはございます。これは補償の世界でございます。
それをさらにもう一歩進んだところでの補償、国が補償の前面に出るべきではないだろうかということになりますと、これはやはり新たな法律の仕組み、新たな法律の制定が必要になろうかと思います。

○谷畑委員 いずれにしても、原賠法という、この法律の精神というのか目的というのか、よく踏まえる必要があるし、そうしないと、この機構を含めてきっちりと回っていかないと、もう日本では原発はできないということになっていきますよね。だから、そこらは原賠法の精神に基づいて国もしっかり出ていく必要があるんじゃないか、こう思うんですね。
最後に、枝野官房長官が、金融機関に対して債権を放棄しろという、そういう発言。ここは、私、はっきり申し上げて、海江田大臣がやはりはっきりと抗議して、ちゃんとスムーズにいくように。これは、破綻してこそ債務放棄が出てくるんであって、なお、これからまた金融機関からも融資を受けていかなきゃならないという状況なんです。
この点を大臣はどう考えられるか、そういうことをお聞きして、質問を終わりたいと思います。

○海江田国務大臣 この問題につきましては、私は何度か委員会でも発言をしてまいりました。御理解をいただけると思いますが、これは金融機関にかかわらず、すべてのステークホルダーがやはりこの責任は共有をしなければいけない。東電がすべてのステークホルダーに協力を求めることが基本でございます。

○谷畑委員 大臣、ひとつ気合いを入れて頑張ってください。
ありがとうございました。