衆議院経済産業委員会 ()

○谷畑委員 自由民主党の谷畑孝でございます。
きょうは、参考人の皆さん、公私ともどもお忙しい中、私どもの委員会に貴重な意見を陳述していただきました。本当に心より感謝を申し上げて、これからまた参考にして、いい委員会の質疑が展開できますよう努力し、頑張ってまいりたい、こういうことを冒頭に申し上げたいと思います。
それでは、まず最初に、全参考人の皆さんにお聞きをしたいと思っています。
昨年の六月の十八日に、現行のエネルギー基本計画というものができているわけであります。この現行エネルギー基本計画というものに基づいて、この再生可能エネルギーの買い取りという法案ができ上がってきているわけなんです。
ところが、現行エネルギー基本計画というものが、三月十一日の東日本の大震災ということで、菅総理もこれを見直す、こういうことです。
しかも、この現行エネルギー基本計画は、政府の答弁を加味していきますと、基本的には、二〇三〇年までに原子力発電を五三%やるんだ、そして、再生可能エネルギーを二〇%に引き上げていくんだと。そして、これは鳩山前総理が国連で、一九九〇年対比で二五%のCO2を削減する、こう言ったわけです。こういうことの中でこの法案ができ上がったんですね。
しかしこれは、大地震の中で前提であるものが全部崩れてしまっていますね、まずは白紙だ、こう言っているわけですから。こういう中でこの法案が生き残っておるんです。
もちろん、私ども自由民主党も、化石燃料から自然再生エネルギーにシフトする、これは私どもも賛成でありますし、異議のないところなんです。
しかし、今言いましたように、前提が崩れてきている。そこへ菅総理が、これまた国際機関の中で、今度は二〇二〇年までに再生エネルギーを二〇%、それから太陽光発電を一千万戸の家庭につけていくんだ、こういう発言です。また、最近では、記者会見で、脱原発という社会の実現、そういうような発言をされているんですね。それでこの法案が始まっているものですから、これは脱原発のシンボルであり、原発に対する代替エネルギーなんだ、こう思っている国民の皆様はたくさんおられると思うんです。
そこで、参考人の先生方、この再生可能エネルギーは脱原発のシンボルなのか、そしてその代替エネルギーとしていけるのかどうか、この点、率直に、八木参考人からずっと一人一人、ひとつ簡単にお願いしたいと思います。

○八木参考人 今回の震災を受けまして、我が国のエネルギー政策につきましては、原子力を含めまして、今後国民的な議論が行われると思っておりまして、私ども電力業界といたしましても、真摯に受けとめ、適切に対応してまいりたいと思っております。
そうした中で、将来のエネルギーの安定供給という面におきますと、我が国のエネルギーの自給率四%という実態を見ますと、私どもといたしましては、将来のエネルギーの安定供給を達成していくためには原子力というのも大変重要な電源であると思っています。
そうした意味で、今後、エネルギーの安定供給、地球環境問題、それから経済性、それは当然、安全性がベースでございますが、こういうことを前提に、やはり電源の、原子力や化石エネルギーあるいは新エネ、こういったものをベストミックスしたものを目指していくべきではないかと思っております。
そうした観点からいきますと、今回の買い取り制度というのは、やはり再生可能エネルギーの重要性というのは今後ともますます増してくると思っておりますので、大変有意義な法案だというふうに理解しております。
以上でございます。

○進藤参考人 お答え申し上げます。
率直に言って、一兆キロワットアワーを使うこの日本の、GDPで三位に落ちたものの、これだけの産業国家を支えるのに、再生可能エネルギーがベース電源となっていくというのは、なかなか時間がかかって難しいのではないかと私は考えております。
先ほど先生御指摘のように、二〇三〇年に五三%、これは新たに原発を十四基つくるということで、これは今回の事故でなかなか難しくなったと思います。したがって、五三は、やはり相当下振れせざるを得ない、こう思います。
そうすると、時間軸を入れますと、何に頼るかということになりますと化石燃料しかないわけですね。そうすると、先ほど御指摘のCO2二五%、これは、ただでさえ、原発五十やっても何とか外に出てやらなきゃいけないという数字ですから、これを、二五は守りながら、原発を落として化石燃料へシフトするということ、一方でベース電源に再生可能エネルギーを、どれぐらいのペースでふえるか、なかなか難しいと思いますけれども、これはもう解がない状況ではないかというのが私の率直な意見でございます。

○山内参考人 今回の買い取り法の目的につきましては、基本的に、温暖化を中心とする環境問題、それからエネルギーの安定的な供給、そして分散型電源によるリスク回避といったもの、これが中心であるというふうに思っております。さらに加えて言えば、イノベーションですか、新しい技術を開発することによって経済効果を大きくする、これが私は基本であるというふうに思っておりまして、絶対量からいって、それから電源の安定性からいって、原子力発電に代替するような性格ではないというふうに認識をしております。
以上でございます。

○大島参考人 再生可能エネルギーは、反原発ですか、脱原発のシンボルかということなんですけれども、事実上、先生が御指摘のように、国民的な理解はそのような議論になっているというふうに理解しております。
私自身は、再生可能エネルギーが基幹電源になり得るというふうに考えておりまして、それはドイツも。ドイツは産業国家です、別に農業国家ではありません。ドイツの戦略は、原子力ではなくて再生可能エネルギーに依拠して、そこで世界を、世界の経済をリードしようということをやっております。それは、ある意味、新しい産業を育成する、非常に大胆な考え方だと思います。
私自身は、日本がこういった震災を契機として、大事故が起きました、また特に東日本では原子力がほとんど消失するという事態に陥っているわけですから、これを客観的に見ますと、やはり再生可能エネルギーに依拠した社会に一歩大きく踏み出すことが賢明なのではないかというふうに考えております。

○谷畑委員 私ごとですけれども、私、二十代のころに被爆者の皆さんと一緒に全米を回ったんです。その中で原発推進か反原発かという議論を毎日しながらアメリカの状況を見てきて、そういう中で、アメリカでも反原発ということで、太陽光で料理をつくるとかそういうデモンストレーションに参加をしたり、いろいろ見ながら、私自身は、再生エネルギーというのはいいんだけれども、これはやはり、国家を支えていく、産業を支えていく、大きな基幹産業としては非常に難しいなというのが、私の二十代のころなんです。
私の家内は反原発で、毎日私の家で激論をして、なぜお父ちゃんは原子力を推進してきたかといって今追及をされておりまして、小さくなっておるわけでありますけれども。
そういう話は別にして、私は、再生可能エネルギーの場合は、今、進藤参考人さんがおっしゃいましたように、日本のエネルギーの全体像をしっかりと方向を定めて、しかも、その中で、日本が経済大国としてしっかりとした、安心した、そして質のいい、そういう電力をきちっと安く提供していく、これは日本の一番大事なことだと思うんですね。そういうことの中で、国民が大きな負担をするのではなく、この再生可能エネルギーを導入していく、難しい折り合いですけれども、していくことが大事だ、こう思うんですね。
そういう中で、山内参考人と大島参考人に、エネルギーの全体像についてどう考えておられるか、あるいは、今回それが白紙という形の中でスタートしてしまったことについてどう考えておられるか。一言だけで結構ですので、お願いを申し上げます。

○山内参考人 今後のエネルギーのあり方について、今非常に難しい段階にあるというふうに考えております。原発がこういう事故を起こしまして、原発に対する不信感、それからある意味ではリスクが顕在化したということだと思います。
私の考えといたしましては、エネルギー問題は長期的な問題でございます。長期的な問題を見据えて、今申し上げましたようなリスク、あるいはコスト、そしてまた国民の望むもの、こういったものをしんしゃくした上でベストミックスをつくり上げていくというのが将来像だというふうに思っております。
ただ、今回のこの買い取り法につきましては、冒頭に申し上げましたけれども、温暖化等の環境問題、それから安定供給、それから分散電源といったような、極めて基本的なエネルギーのあり方、これに合致するものだというふうに考えておりまして、その意味では、今回のこの法案は我々が考える基本的なところに根差しているということを申し上げたいというふうに思います。
以上でございます。

○大島参考人 申し上げます。
ドイツは、この十年で、再生可能エネルギーの割合を六%から一六、七%ぐらいまで、一〇ポイント上げてまいりました。次の十年で二〇ポイント上げようというふうになっております。二〇二〇年で三〇%まで持っていきます。
これは、私は、日本にとっては十五年から二十年ぐらいで三〇%くらいに持っていくのはそんなに難しいことではないと。むしろ日本は、太陽光のパネルとか風車のメーカーですとか、非常にさまざま産業の蓄積があります。それが輸出産業になっている、輸出だけになっているということが非常に悲惨といいますか、むしろ、国内産業、国内に大きな市場を持ってくるという意味でも、二十年ぐらいで三〇%ぐらいまで持っていくというのは、国家目標として置いてもそれほど野心的な目標ではないというふうに思っておりますので、今までからすればとても大胆ではありますが、こういった目標をぜひ国会の議論のもとにつくっていただきたいというふうに考えております。

○谷畑委員 きょうの参考人の中で、新日鉄の副社長であります進藤参考人さんの方から、電炉を含めて、電気を消費する産業にとってみたらもう致命傷だとおっしゃいました。
これは、私自身、これからストレステスト、これこそ本当にストレスがたまるんですけれども、このテストをやって、残された原発が少し稼働するかなと。特に、私は関西電力が地元ですけれども、まさか節電するとは夢にも思っていませんでして、今こそ関西が東日本頑張れということで産業をさらに活性化して頑張っていかにゃいかぬのじゃないか、こう思っていたやさきにこんな状況で、私もがっくりしておるんです。
やはり化石燃料をどうしても代替で使わなきゃならない、これは世界的に物すごく高騰していく可能性がある。そういう状況の中で、ドイツのように少し軽減したらどうだという意見、私はそのとおりだと今聞いておりました。ただ単なる省エネとかいうだけの誘導じゃなくて、何らかのいい知恵が要るんじゃないかと思います。
そこで、時間が余りなくなってきましたので、山内先生、そのあたり、いい軽減措置というものがないものか。いい知恵がありましたら、お願い申し上げます。

○山内参考人 私自身、具体的に知恵があるかと言われるとなかなか難しいのでございますけれども、ただ、おっしゃいましたように、ドイツでは軽減措置をしているということはございます。
こういったことも一つの選択肢に入ろうかというふうには思いますけれども、私自身はそれよりも、もう少し動態的といいますか、産業が変わっていくようなことを招来した方がいいのではないかというふうに思っております。
その意味では、今おっしゃいましたけれども、省エネとか新しい技術の開発、あるいは場合によったら自家発電との関係とか、そういったことも含めて、やはり支援は必要だと思います、エネルギー多消費型の産業に対する支援は必要だと思いますが、そういった形での対処策がよろしいのではないかというふうに思っております。

○谷畑委員 次に、大島参考人に。
再生可能エネルギーというのは、どうしても情緒不安というのか、太陽も夜は照らないし、風も、よく人生も風任せだというんですけれども、まさしく吹いたり吹かなかったりの状況があるし、不安定電源だと思うんだけれども、この不安定電源、これが十五年から二十年の中でしっかりとして、安定的ないいエネルギーになっていくのか。蓄電だとか技術改革とか、そういうことでどうなのか。
やはり、十五年たったら今の化石燃料よりも安くなるんだ、サーチャージをつけなくても市場経済として成り立つんだということが一番いいと思うんだけれども、どうですか、先生。

○大島参考人 太陽は日が照っているときにしかつくらないのは当然なんですけれども、全体として、面的に見ますと、やはりたくさん再生可能エネルギーを導入している国はコントロール可能になっています。全体を面的に見ると、こういう基調のときにはこれだけ出るという蓄積がありますので、そういう意味では、マネージできる、管理できるということになります。
ただ、先生も御存じのように、今は日本は、この狭い日本が九つに分割されて、連系線、ほとんど電力の融通をしていないという中では、例えば、東北や北海道は風力発電の容量は非常に大きいわけですけれども、そこを東京の方に送れなければ不安定になってしまうわけですね。小さなところで波があれば不安定になりますので、そういう意味では、送電部門はやはり公益性がありますので、分離して一体運用する。それによって、不安定になるところをより安定化させることができるというふうに私自身は考えています。

○谷畑委員 私も、委員会の中で、原子力の損害賠償、もちろん東電自身が前面に立ってしっかりやっていくことも大事だけれども、国策で原子力発電をやってきたということで、もっと国がしっかりと責任をとっていくんだ、こういう姿勢が大事だという発言をさせていただきました。今回、今ここにおられる委員の先生方の努力で、それが一定程度損害賠償機構法の中に反映されてきたわけであります。
今後とも、私どもも、一日も早くこの原発事故が収束をして、避難されている人たちが帰っていく、こういうことを期待して、私の参考人に対しての質問にかえたいと思います。
本日はまことにありがとうございました。終わります。