衆議院厚生労働委員会 ()

○谷畑委員 自由民主党の谷畑孝でございます。
小宮山大臣には初めての質問ということで、消費税と社会保障の一体改革ということで、特別委員会、予算委員会、厚労大臣がもう中心的な役割を果たしていること、本当に御苦労さまである、こういうふうに思っています。
私も、かつて坂口大臣のもとで厚生労働の副大臣をしたり、時には筆頭理事をさせていただいて、与野党が本当に年金問題で激突したその委員会の中心でございまして、それから早いもので、もう三年がたつわけでございます。
きょうは、二十分ということですので、労働問題に絞ってお話をしたいなと思います。
私は、昭和二十二年一月十日におぎゃあと生まれて、ベビーブームだと言われ、団塊の世代、こう言われたわけですけれども、いつも青年だと思っていますけれども、気がついたらもう六十五歳ということで、見回してみたら、この委員会で私を超えている人というのは本当にもうほとんどいないのではないか、そういうような感じがするわけであります。
私は、農村に生まれまして、男兄弟五人で、農家でございました。稲刈り、田植え、それから植木の水やり、そういうことを家族全員で手伝ったり、時には親戚も手伝ってもらって田植えをする、稲刈りをする。私も嫌々ながら稲刈りをやったりしたものであります。台風が来ますと、稲がもう本当にべたっと寝たままになるので、重労働であります。
しかし、それが終わった後の、親戚と一緒に雑談をしながら食事をすることだとか、あるいは、仕事が終わって、夕日を見ながらたき火をするということ、小さい子供なりに、働くことは、つらいときもあるけれども、本当にまた楽しいものだ、こういうことを幼いときに学んだような感じがいたします。
それと、私はどうしても忘れることができないのは、農村でありますので、親戚が亡くなりますと、親族が棺おけを担いで村の墓場に行くわけでありまして、そのときに、棺おけをあけて、そして皆、よう働いた手だ、こういうふうにして手を握っていました。僕らも、小さいころ、その風景を見て、ああ、よく働いた手だ、こういうようにして、労働に対する尊敬というのか、また、働いた人に対する尊敬というのか、そういう野辺の送りというのか、そういうことで、労働の楽しさ、苦しさ、そして一家を支えていくこと、また、仕事を通じて人生哲学というのを開いていくんだ、これが労働という私の小さいころの意識であります。そういうことを思い出しては、苦しいことがあっても、いろいろあっても、前を向いて頑張っていかなきゃならない、人は死ぬまで働くことが大事なんだ、こういうふうに私は思っているわけであります。
この医療、年金、介護というでっかい厚生労働という役所でありますけれども、その中で、労働というのは私はまた大事だ、こう思っておりますので、まず、小宮山厚生労働大臣、NHKでずっと働いていた姿も少しテレビで拝見したこともありますけれども、一言、大臣としての労働に対する意義なりとらえ方を、ひとつ所見をいただけたらありがたい、こう思います。

○小宮山国務大臣 委員の御自身の体験も含めた労働観を承りまして、ありがとうございます。
私も、労働については、NHKにいたときも労働の解説をずっとしておりましたし、大分つき合いは長いというふうに思っておりますが、やはり人間は、生まれてきた以上、それぞれの能力を生かして働いていく、そのことによって自分の生活を支えると同時に、社会にも役立ちたいということ、そのことが実現できるような、それぞれの能力に応じて働くことが全ての人にできるような社会をつくっていくということが大事だというふうに思っています。
そういう意味では、今回の社会保障の一体改革の中でも、もう少し労働のところにスポットが当たってもよかったんですが、これは、私どもがつくる中ででも、やはり、とにかく若者も女性も高齢な方も障害をお持ちの方も、それぞれの力を生かして社会に参加をしていく、全員参加型社会というふうに言いましたけれども、そういう社会を目指していくのだということは、これは初めて盛り込みました。
ただ、具体策として消費税財源のどれだけを引っ張ってきてみたいなところまでいかなかったこともあってか、御審議の中でもなかなか労働のところが論点にならないのは、私も、歯がゆい思いと、そこまでまだ私どもの政策が至っていないという反省と両方持っておりますし、私も議員になって十四年目になりますけれども、参議院、衆議院通じて、厚生労働の中でどうしても、おっしゃったように、年金、医療、介護、今は子育てもですけれども、厚生分野の占めるウエートが非常に大きいために、委員会が二つ一緒になったので、本当はもっと今、働き方、労働のことを審議したいと思っても、その時間がなかなかとれない、そういうジレンマというか、例えば厚生労働委員会の中に労働を常にやる小委員会でもつくったらどうかとも言っていたんですが、今、この立場になると、そうするとますます忙しくなるとか言われておりますけれども、そこはもう少し国会として考えて、今、働き方、労働ということにもっと焦点を当てていく必要があるということは、私も、多分同じ感覚だと思いますけれども、持っております。

○谷畑委員 僕らの若いころは、高度経済成長ということで、忙しい日本の社会でございました。しかし、この間、失われた二十年ということで、日本の経済も停滞をしてまいりました。社会も、グローバル社会ということで、中国、インド、ブラジルということで、新興国の発展が非常に目覚ましい、こういうように思うわけであります。
それと同時に、政治も、もう最近、大事なときには、参議院も与野党逆転したり、あるいはまたそれぞれの党の中で意見が違ったりして、いろいろと騒がしくなり、特に大阪などは、既存政党に対して、決められない政治、こういうスローガンというのがすっと入っていくというのか、私も地域を回っておって、いや、国会は大変でんな、こう言われるたびに、どう返事をしたらいいかちょっと戸惑う、そういう感じがしてならないわけなんです。
しかし、そうはいえども、そういう閉塞感のある社会、そういうものがいつまでも続くわけじゃない。特に若年層の人材育成というのか、これがやはりこの日本の閉塞感をしっかりと打破していける、そういうようにしなきゃならないんじゃないか、私はそういうふうに実は思うんです。
そういうことで、大臣、特に若年層の人材育成、こういうことについて所感をひとつお聞きいたします。

○小宮山国務大臣 これはやはり、若い人たちをどのように人材育成をしていくか、そして、先進国でもちゃんとグローバルで活躍できるような人材を育てることも含めて、これは政府を挙げて、そして、これはもう与野党を問わず、皆さんのお知恵をいただきながら、ぜひしっかりつくらなければいけないというふうに思っています。
今、非常にいびつな働き方と私が言うといけないかもしれませんけれども、やはり非正規雇用がこれだけ多くなり、今までずっと終身雇用でもっていた、どんどん企業の中でスキルアップをして、年功序列の賃金で心配なく生活していけるという形ではなくなってきた中で、今回の日本再生戦略の中にも入れましたけれども、先ほどもお話ししたように、大学、学校と連携をとって、学生の間から、どういうような仕事を選んで働きたいか、その人の能力に合うものはどういう企業かということを、ことしからジョブサポーターも大学で相談窓口を持ったり出張相談するようにいたしましたし、また、経済界がどういう人材を求めているかということも含めて、これは経済産業省、文部科学省とも連携をして、しっかりと若い人たちが夢を持って自分の能力が発揮できると考えられるような、そんな仕組みをつくっていく必要があるというふうに思っていますので、いろいろ厳しい状況ではありますけれども、それぞれの若い人たちが働きがいを持って働いてくれませんと、この日本の社会も発展していきませんので、そこはぜひお知恵もいただきながら、全力を挙げてやっていきたいというふうに思っています。

○谷畑委員 私、この間、四月に、私の選挙区で、かわち政治研究会という市会議員さん、地方議員の会がありまして、二十二名の議員団と一緒に韓国へ、経済、教育、それから文化、そういう角度から、目的をしっかり持って視察に行ったわけであります。
そのときに感じたことは、特に、私学の高等学校へ行ったわけですけれども、韓国の場合は、教育長、これは選挙なんです、公選をするわけです。だから、教育の目標をしっかりと訴えて選挙をやるわけなんですね。だから、教育委員会は地方議会の中で構成されるわけです。だから、教育の目標がはっきりしているわけなんですね。
それで、韓国の場合は、いわゆる国際的に通用する人材をつくる、こういうことをはっきりと目標を立てています。というのは、人口が約五千万少しですから、産業が内需だけで勢いが出ているというわけじゃありませんから、どうしても海外に経済の目を向けていかなきゃならない、こういうことなんですね。だから、私の韓国の友人も、兄貴はアメリカに留学し、弟は中国へ留学し、皆それぞれが国際的に、そういう国際的に働くこと、どこでも働けるような人材が身の回りにもあるわけなんですね。
だから、そういうことを見てきまして、さて日本はと振り返ってみたら、やはり、円高という問題があったり、あるいはデフレという状況があったりして、日本の企業も海外へどんどん進出しないともうやっていけない。私の選挙区でも、やはり海外へ進出している企業と、していない企業で明暗がはっきり分かれてしまっている、こういう状況なんですね。だから、そういうことから見て、私はやはり、大学側、それから企業、いわゆる企業が求めている人材、そういうミスマッチはまだまだ日本においてはいっぱいあるんじゃないか、こういうように思えて仕方がないんですね。
だから、そういうことで、やはり送り出す大学側、もう少しはっきり言いますと、大学側も、キャリア教育を担っていく事務方のメンバーと大学の授業をする教授、これは別々ですよね。だから、本来、大学側がもう少し企業に向けていけるようないわゆるイノベーションの人材をつくり出したり、あるいはグローバルにできる人材を出したりという、そういうことがやはり非常におくれておるんじゃないか。
きょうはちょっと文科省に来てもらっていますけれども、その点についてどのように考えていて、またどういうような施策を打っているのか、ちょっとそのあたり、お聞きしたいと思います。

○常盤政府参考人 お答え申し上げます。
人材育成に当たっての大学と企業の連携ということでお尋ねをいただいたわけでございます。
昨年の七月でございますけれども、研究開発あるいはそのグローバル展開という点で、我が国をリードする二十の企業と十二の大学のトップが集まりまして、産学協働人財育成円卓会議というものが発足をしたところでございます。
この円卓会議におきましては、産業界と大学が協同して人材育成に当たること、そして、産業界と大学が互いに率直に意見交換を行うことの重要性が論じられまして、その議論の成果といたしまして、ことしの五月に、参加企業と大学が取り組むべき事柄を示したアクションプランというものを作成いたしました。
具体的には、今御指摘がございました、グローバル人材をどう育成していくのか、あるいはイノベーション人材をどう育てていくのかというようなことについて、具体的な提言をアクションプランの中でいただいているわけでございます。
そして、今後は、このアクションプランに基づいて参加企業、大学が人材育成の取り組みを進める、そして、その企業の範囲だけにとどまらずに、広く情報を発信して、アクションプランの考え方を普及させて、産学協同による人材育成の取り組みを社会全体に広げる契機とするということが期待されているところでございます。
文部科学省におきましても、さらにこうした連携、協同の場の形成が進むように力を注いでまいりたいというふうに考えております。

○谷畑委員 もうあと二、三分で終わりという紙が回ってきましたので余りこれはできないんだけれども、私、その円卓会議の中で、読ませてもらったら、結構各大学側も努力されて、頑張っていますよね。
例えば慶応大学も、経済産業省の主導で、いわゆる企業の現場で働いている技術者を含めて、そういう人たちを派遣してもらって教育の中で取り組んだり、そういう中で、現場の体験に基づく講義というのが非常に好評であるということ、そして、最先端のエレクトロニクス製品がどういうような形で開発されておるのかとか、そういうことで、学校で学ぶことと企業で将来それがどう花が咲いていくかという、そういう教育というのも非常に好評を得ているというものもありますね。
そしてまた、早稲田大学などはすごい数の留学生を送り出している。年間二千名を送り出しておりますし、また四千名の皆さんが世界から大学にやってくる。そういうことで、グローバルを含めて本当に努力された状況がある。
しかし、このようにして先端を走っている大学もあれば、まだまだそこまでいかない、大学の基盤そのものも、財政基盤も弱い、こういうことがあろうかと思いますので、私も、ぜひひとつそこは文科省なり経済産業省がもっと連携して、しっかりやっていく必要があるんじゃないかと思います。
では、これで最後にします。
厚生労働大臣、私は、この雇用問題というのは、やはりばらばらではいかぬのじゃないかと思うんですね。だから、若年層の人材を育成するというのは、厚生労働省と文科省、それから経済産業省、そういうところが強い連携を持って、国家戦略をしっかりと立てて、そういう状況の中でやはりつくり上げていく、こういうことが非常に大事だ、このように思っています。
それと、年金、医療、介護というこのでっかい省、でか過ぎる、小回りがきかない。少なくとも、労働関係と医療関係、やはり大きく二つぐらいに分割をする必要があるんじゃないか、そういうふうに思います。
以上、最後、もう時間になりましたので、それだけ申し上げて、質問を終わります。